「全身麻酔ではないから安全」とは言い切れません
こんにちは。
銀座フェイスクリニック院長の奥田宗央です。
美容外科手術のカウンセリングで、よくいただく質問のひとつが、
「全身麻酔ではなく静脈麻酔(鎮静麻酔)なら、ピルは休薬しなくても大丈夫ですか?」
というものです。
結論から言うと、
「静脈麻酔(鎮静麻酔)だから休薬不要」と単純には言えません
血栓症リスクは、
- 全身麻酔か静脈麻酔か
- 手術時間
- 不動時間
- BMI
- 喫煙
- 年齢
- 血栓症既往
- 家族歴
などを総合して考える必要があります。
なぜピルで血栓症リスクが上がるの?
低用量ピル(OC/LEP)は、
- エストロゲン
- 黄体ホルモン(プロゲスチン)
の組み合わせ製剤です。
このうち、血栓症リスクに大きく関係しているのは、主にエストロゲン成分です。
低用量ピルを内服すると、静脈血栓塞栓症(VTE)のリスクは、非使用者と比べて約2〜4倍程度になるとされています。
ただし重要なのは、
「相対リスク」と「絶対リスク」は別
ということです。
若年・非喫煙・非肥満の方では、実際の発症率そのものは高くありません。
全身麻酔ではなくても、長時間動かないことが問題になる
「全身麻酔ではないから安心」と思われることがありますが、実際にはそこまで単純ではありません。
たしかに全身麻酔では、
- 完全不動化
- 筋弛緩
- 術後回復遅延
などがあり、血栓症リスクは上がりやすくなります。
しかし、美容外科で行う静脈麻酔(鎮静麻酔)でも、
- 数時間ほぼ動かない
- 下肢血流が停滞する
- 脱水が起こる
という状況は普通に起こります。
つまり、
「全身麻酔ではないから安全」とは言い切れません
実際には、
「何時間動かないか」の方が重要です
特に3時間を超える手術では注意が必要
美容外科では、
- 脂肪吸引
- 豊胸
- 複合手術
- 長時間フェイス手術
などで、3時間を超えるケースがあります。
このような場合には、
ピル継続による「2〜4倍程度の相対リスク上昇」
をどう考えるか、慎重な判断が必要になります。
そのため、
- 3時間を超える手術
- BMI高値
- 喫煙
- 血栓症既往
- 家族歴あり
などでは、
術前28日以上前からの休薬
を検討する価値があります。
特に注意が必要なリスク因子
以下に当てはまる場合は、血栓症リスクがさらに上昇するため、より慎重な判断が必要になります。
- BMI 30以上
- 喫煙
- 35歳以上
- 血栓症既往
- 血栓症の家族歴
- 長時間の複合手術
- 術後安静時間が長いケース
これらが複数重なる場合には、
- 術前休薬
- 黄体ホルモン単剤への変更
- 弾性ストッキング
- フットポンプ(IPC)
- 早期離床
などを総合的に検討します。
黄体ホルモンの種類によって、リスク差があるとされている
低用量ピルの血栓症リスクの主因は、主にエストロゲン成分です。
そのうえで、組み合わせる黄体ホルモン(プロゲスチン)の種類によって、静脈血栓塞栓症(VTE)リスクに多少差があることが知られています。
例えば、
- ヤーズ
- ヤーズフレックス
などに含まれる「ドロスピレノン」は、海外データでは、
- フリウェル
- ルナベル
- トリキュラー
などに使われるレボノルゲストレル系より、静脈血栓塞栓症(VTE)リスクがやや高い可能性が報告されています。
ただし、どちらもエストロゲン含有製剤であり、
主なリスク因子はエストロゲン
であることに変わりはありません。
「休薬」以外に、薬を変更する選択肢もある
ここは意外と知られていません。
「ピルを止めると困る」という方も多いため、
- 避妊目的
- 月経困難症治療
によっては、
エストロゲンを含まない薬へ変更する
という選択肢があります。
例えば:
避妊目的
- ミニピル(プロゲスチン単剤)
月経困難症・子宮内膜症治療
- ジエノゲスト
などです。
これらはエストロゲンを含まないため、一般に静脈血栓塞栓症(VTE)リスクはかなり低いと考えられています。
薬剤変更する場合も、直前ではなく28日以上前から
もし、
- ミニピル
- ジエノゲスト
などへ変更する場合も、
少なくとも術前28日以上前から
をおすすめします。
理由としては、
- 凝固状態の改善に時間が必要
- 月経変化
- 不正出血
などがあるためです。
最終的には、婦人科主治医との相談が重要です
ここは非常に大切です。
美容外科医は、
- 手術時間
- 術後離床
- 静脈血栓塞栓症(VTE)リスク
について評価できますが、
- 避妊管理
- 月経コントロール
- 婦人科疾患
については、婦人科側の判断が重要になります。
そのため、
「休薬するか」
「別薬へ変更するか」
については、
必ず婦人科主治医とも相談してください
特に、
- ヤーズ系内服中
- 喫煙
- BMI高値
- 長時間手術予定
の方は、早めの相談をおすすめします。
まとめ
- 静脈麻酔でも、長時間手術では血栓症リスクは上がる
- 「全身麻酔ではないから安全」とは言い切れない
- 3時間を超える手術では、28日前からの休薬を検討する価値がある
- ミニピルやジエノゲストへの変更という選択肢もある
- 最終的には婦人科主治医との連携が重要
美容外科では「仕上がり」だけでなく、「安全性」も非常に重要です。
気になることがあれば、カウンセリング時に遠慮なくご相談ください。
銀座フェイスクリニックの特徴

銀座フェイスクリニックでは、患者様一人ひとりの美しさを大切に、丁寧なカウンセリングと安心の施術を提供しています。院長は外科医として24年の経験を持ち、クリニックは11年間、女性の輪郭や小顔に関するご相談を多く受けてきました(2026年5月現在)。院長が直接カウンセリングを行い、患者様のご希望に合わせた施術を分かりやすくご説明します。安心してご検討いただけるよう心がけておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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