チタンプレート|カットした骨をつなぐ道具|骨切り・骨削り手術
銀座フェイスクリニック院長の奥田です😀
チタンとは?
骨切り・骨削り手術で、カットした骨をつなぐ際には、チタン製のプレート(留め具)で固定します。
チタン(独 Titan, 英 Titanium)は生体内での安定性がとても高い金属ですので、基本的に錆びたり腐敗したりすることがありません。
ですから、様々な医療製品の素材として採用されています。
例えば、歯が抜けたときに行うインプラント。インプラントの土台(歯茎の骨に打ち込む部分)はチタンで出来ています。
その他、加齢などによって関節が痛んでしまったときに用いられる人工関節は、チタンでつくられています。
さらに、くも膜下出血を防ぐために脳動脈瘤を遮断する手術(クリッピングや脳血管内手術)でもチタン製のクリップやコイルが使われています。
顔面骨格の骨切り・骨削り手術でも、このように安全性が高いチタン製のプレートを利用しています。
チタンプレートは抜去が必要か?
骨切り・骨削り手術から1年以上が経過していれば、チタンプレートの抜去が可能です。
ただし、チタンプレートは生体内での安定性がとても高いので、基本的に抜去する必要はありません。
むしろ抜去をご希望される場合は、せっかく回復したお傷にもう一度切り込むことになるので、新たなダメージが加わることになります。
ですから、チタンプレートを抜去するかどうかは、リスクやデメリットと天秤にかけて慎重に検討するべきです。
チタンプレートはレントゲンに写るか?
チタンプレートはレントゲンに写ります。
ただし、会社の健康診断などでで、頭蓋顔面骨のレントゲンを撮影することはありません。
歯科のレントゲンには写りますので、歯科を受診する場合は、チタンプレートが入っていることをお伝えください。
その際に、医師・歯科医師など医療従事者には守秘義務がありますので、歯医者さんを通じて第三者に情報が漏れることはありません。
チタンプレートは空港のセキュリティゲートで引っかかるか。
チタンプレートは、空港のセキュリティゲートで探知される(ブザーが鳴る)可能性があります。
ただし、空港によって探知機の感度を調整しているので(程よく下げている)、実際には、体内に埋め込まれたチタンによってブザーが鳴ることは、ほとんどないそうです。
テロ警戒地域などで探知機の感度を上げている場合にはブザーがなる可能性がありますが、その場合は警備員に「fractureしたときにfixした」と説明すれば大丈夫です。
チタンプレートは外から触れるか。
専門家がじっくりと探るように触れば、「ここがチタンかな」という感触を得ることもあります。
しかし、一般の方にはまず分かりませんし、日常生活のなかで何らかの問題になることは無いでしょう。
吸収性プレートとの比較
「吸収性のプレートは使えませんか」というご質問を頂くことがあります。
吸収性のプレートはチタンプレートと比べて分厚く、加工性に乏しいことが欠点です。(カットした骨の形に合わせたかたちを作りにくい。)
また固定力に乏しいため、骨切り・骨削り手術の固定には適しません。
チタンが入っていてもMRI検査を受けられるか
チタンプレートが入っていても、MRI検査は問題なくお受けになれます。
MRI検査の前には「体内に金属が入っている場合は検査を受けられないことがあります」と説明があります。
MRI は磁力を用いる検査であるため、磁石にくっつく金属が体内に入っている場合は、お受けになれない場合があるのです。
チタンは磁石にくっつかない金属ですから、全く支障なくMRI 検査を受けられます。
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