他院でオトガイ短縮手術を受けたあと、「もう少し顎先を前に出したい」という理由で、ヒアルロン酸注射がいつから可能かというご質問をいただくことがあります。
今回は、オトガイ短縮手術後のヒアルロン酸注入について、注入時期や骨吸収・感染のリスクを解説します。
1.オトガイ短縮手術後、いつから注入できる?
当院では、オトガイ短縮手術後のヒアルロン酸注入は、術後6か月以降を目安にしています。
骨切り手術後の骨のリモデリングや、周囲の筋肉・軟部組織の回復を考慮すると、術後半年程度は待ってから注入することが望ましいと考えています。
2.顎先へのヒアルロン酸注入で骨吸収が起こることがある
顎先へのヒアルロン酸注入後、CT検査で骨表面の陥凹や骨吸収が確認されたという研究報告があります。
骨切り手術後のヒアルロン酸注入で、骨吸収のリスクがどの程度高まるかは明らかになっていません。そのため、骨や周囲組織の回復を考慮し、術後半年程度は積極的な注入を避けた方がよいと考えています。
3.骨切り手術後は感染にも注意が必要
オトガイ短縮手術では、移動させた骨をプレートやスクリューで固定します。
ヒアルロン酸注入に伴う感染が深部に波及した場合、固定材料の周囲に感染が及ぶ可能性があります。その場合、感染の状況によっては、プレートやスクリューの抜去手術が必要になることもあります。
術後の顎先に注入する際は、こうしたリスクも考慮する必要があります。
4.当院では、術後のヒアルロン酸注入を前提に手術を行いません
当院では、オトガイ短縮手術後にヒアルロン酸を注入することを前提として、骨切りの計画を立てることはありません。
術前にCT撮影を行い、3D骨模型の作製やシミュレーションを通じて骨格を詳しく検討します。そのうえで、顎先を短くするだけでなく、必要に応じてオトガイ前方移動を組み合わせ、骨格全体のバランスを整えることを目指します。
できる限り、手術の段階で適切な顎先の位置と形を実現すること。 これが当院の基本方針です。
まとめ
オトガイ短縮手術後のヒアルロン酸注入は、当院では術後6か月以降を目安としています。
術後半年以内に注入する場合は、早期に注入するメリットと、骨の回復や感染などのリスクを比較して判断する必要があります。
当院では、術後の注入に頼るのではなく、術前のCT・3D骨模型・シミュレーションによって骨格を詳しく検討し、必要に応じてオトガイ前方移動も組み合わせながら、手術の段階で適切なバランスを目指しています。
銀座フェイスクリニック
院長 奥田宗央


