以前の記事でもお伝えしたように、顔面骨切り手術で使用したチタンプレート(ピン)は、基本的に必ずしも抜去する必要はありません。
ただ、「抜去するとしたら、どのくらい大変なのだろう?」と疑問に思われる患者様も多いため、今回は痛みや腫れ、ダウンタイムについて解説します。
「そもそもチタンプレートは抜去すべきなのか?」については、こちらの記事で詳しく解説しています。
▶︎ 「チタンプレート抜去は必要?美容外科医の考え方を解説」
本記事では、その続編として、実際にプレート抜去を受ける場合の痛みや腫れ、ダウンタイム、そして当院がノンロッキングプレートを採用している理由についてご紹介します。
痛みについて
プレート抜去は基本的に全身麻酔で行うため、手術中の痛みはありません。頑張っていただくのは、麻酔導入時の点滴くらいです。
術後は数日間、傷口の痛みや違和感がありますが、プレートを外すだけで、新たに骨を切ったり削ったりするわけではありません。
そのため、骨切り手術後と比べると痛みはかなり軽く、多くの患者様は処方した痛み止めで十分コントロールできます。
腫れについて
プレートを露出するために歯ぐきを切開し、骨膜を剥離するため、まったく腫れないわけではありません。
しかし、骨切り手術のように骨を移動したり削ったりする処置は行わないため、腫れは比較的軽度です。
個人差はありますが、術後数日でピークを迎え、その後徐々に落ち着き、1〜2週間ほどで気にならない程度まで改善することがほとんどです。
ダウンタイムについて
術後数日間は、やわらかい食事をおすすめしていますが、骨切り手術後のような長期間の食事制限は通常必要ありません。
デスクワークであれば数日〜1週間程度で復帰される方が多く、ダウンタイムは骨切り手術と比べると大幅に短くなります。
それでも積極的に抜去した方がよいのでしょうか?
ここまで読むと、
「それほど大変ではないなら、プレートは積極的に抜去した方が良いのでは?」
と思われるかもしれません。
しかし、プレート抜去もれっきとした手術です。
全身麻酔が必要となり、出血や感染、神経損傷などのリスクがゼロになるわけではありません。また、プレート周囲に骨が十分形成されている場合には、プレート周囲の骨を一部削る必要が生じることもあります。
そのため、「抜去できるから抜去する」のではなく、執刀医と十分に相談したうえで判断することが大切だと考えています。
ロッキングプレートでは、抜去が難しくなることもあります
ここで一つ、水を差すようで恐縮ですが、知っておいていただきたいことがあります。
骨切り手術で使用されるプレートには、ロッキングプレートという種類があります。
ロッキングプレートとは、スクリュー(ネジ)の頭部がプレートの穴とねじ結合する構造になっており、プレートとスクリューが一体化することで、角度安定性(angular stability)が得られるのが特徴です。
一方で、この構造ゆえに、固着したスクリューを緩めようとした際に、スクリューのヘッド部分が破断し、シャフト(軸)が骨内に残ってしまうことがあります。
その場合には、
- シャフト(軸)を骨内に残したまま終了する
- 周囲の骨を一部削り、シャフトまで取り除く
という判断が必要になることがあります。
もちろん、このようなケースは決して多いわけではありません。
しかし、「チタンプレートやスクリューは、希望すれば必ず安全かつ完全に抜去できるものではない」ということは、知っておいていただきたいと思います。
当院では、原則としてノンロッキングプレートを使用しています
このような理由から、当院では将来的なプレート抜去の可能性も考慮し、固定材料を選択しています。
具体的には、現在(2026年)は全例でノンロッキングプレートを使用しています。
ノンロッキングプレートは、一般的にロッキングプレートと比較すると、スクリューの抜去が比較的容易であると考えられています。
もちろん、ノンロッキングプレートであっても、骨新生や骨との癒着の程度によっては抜去が難しくなることがあります。そのため、「ノンロッキングだから必ず簡単に抜去できる」というわけではありません。
それでも、将来プレート抜去を希望される患者様にとっては、ノンロッキングプレートには一定のメリットがあると私は考えています。
一方で、ノンロッキングプレートは、ロッキングプレートのようにプレートとスクリューが一体化して固定される構造ではありません。
そのため、プレートに無理な力がかからないよう、骨片同士の位置関係(アライメント)をできるだけ正確に合わせたうえで固定することが重要になります。
私は、プレートの強度に頼るのではなく、骨片同士が自然に適合した状態をつくり、その位置をプレートで保持するという考え方で骨接合を行っています。
プレートは「骨を無理やり引っ張って固定するためのもの」ではなく、「適切な位置に整復した骨片を、そのまま保持するためのもの」だと考えています。
もちろん、固定方法の選択はプレートの種類だけで決まるものではありません。骨の形態や骨片の安定性などを総合的に判断したうえで、その症例に最適と考えられる方法を選択しています。
私自身の考え
チタンは、生体内での安定性が非常に高い金属です。
そのため、顔面骨切り手術だけでなく、整形外科では骨折治療のプレートやスクリュー、脳神経外科では脳動脈瘤クリップ、歯科ではインプラント体(フィクスチャー)など、さまざまな医療分野で長年使用されています。
もちろん、感染やプレートの露出、強い異物感や慢性的な違和感などのトラブルがあれば抜去を検討すべきです。
しかし、そのような問題がないのであれば、私は個人的には、無理に抜去せず、そのまま体内に残して経過をみても良いのではないかと考えています。
プレートを残すことにも、抜去することにも、それぞれメリット・デメリットがあります。
大切なのは、「何となく抜いた方が安心そうだから」という理由ではなく、ご自身の状況を踏まえて、執刀医とよく相談し、納得したうえで選択することです。
プレート抜去の必要性そのものについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
▶︎ 「チタンプレート抜去は必要?美容外科医の考え方を解説」
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銀座フェイスクリニックでは、患者様一人ひとりの美しさを大切に、丁寧なカウンセリングと安心の施術を提供しています。院長は外科医として25年の経験を持ち、クリニックは11年間、女性の輪郭や小顔に関するご相談を多く受けてきました(2026年7月現在)。院長が直接カウンセリングを行い、患者様のご希望に合わせた施術を分かりやすくご説明します。安心してご検討いただけるよう心がけておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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