
銀座フェイスクリニック院長の奥田です😀
「普段、漢方薬を飲んでいますが、手術前も続けて大丈夫ですか?」
カウンセリングで非常に多いご質問ですが、私の基本方針は次の通りです。
原則として、顔面骨切り手術の1〜2週間前には漢方薬の休薬を検討してください。
漢方薬は植物や鉱物由来の生薬を組み合わせた医療用医薬品です。単なるサプリメントではありません。
一部の漢方成分は、
- 麻酔中の血圧・心拍数の変動
- 術中出血量への影響
- 電解質異常による不整脈リスク
に関与する可能性が示唆されています。
「自然由来だから安心」というイメージが、周術期においては思わぬリスクになることがあります。
なぜ顔面骨切り手術では特に注意が必要なのか
顔面骨切り手術は、
- 骨髄由来の出血を伴う
- 広範囲の軟部組織剥離を行う
- 術後の腫脹・内出血が強く出やすい
という特徴があります。
そのため、止血管理と循環動態の安定が極めて重要になります。
① 麻黄(マオウ)含有処方
(例:葛根湯、防風通聖散 など)
麻黄の主成分エフェドリンには交感神経刺激作用があり、
- 血圧上昇
- 頻脈
- 不整脈
を引き起こす可能性があります。
全身麻酔では循環管理を厳密に行うため、影響が残っていると麻酔管理が不安定になる可能性があります。
② 当帰・人参など血流改善系処方
血行促進作用を持つとされる処方は、理論上、
- 抗血小板作用の可能性
- 凝固系への影響
が示唆されています。
骨切りでは骨由来の出血も伴うため、安全側に倒した判断が重要です。
③ 甘草(カンゾウ)含有処方
多くの漢方に含まれる成分です。
長期・大量使用で、
- 偽アルドステロン症
- 低カリウム血症
- 血圧上昇
が起こる可能性があります。
低カリウム血症は周術期の不整脈リスクを高める可能性があるため注意が必要です。
休薬の目安
原則として手術2週間前からの休薬を検討します。
ただし、治療目的で処方されている場合は自己判断で中止せず、必ず主治医に確認してください。
「全身麻酔による顔面骨切り手術を予定しています。周術期に休薬しても問題ありませんか?」
休薬が難しい場合は、疾患の安定を優先し、手術時期を再検討することも重要です。
すべての漢方が悪いわけではありません
重要なのは「時期」と「目的」です。
顔面骨切り手術では、術前と術後で漢方の役割が異なります。
術後に検討されることがある漢方
出血が落ち着き、全身状態が安定していることを確認したうえで、補助療法として使用を検討することがあります。
■ 治打撲一方
外傷後の腫脹や皮下出血に用いられる処方です。術後の腫れや内出血の回復過程をサポートする目的で検討されることがあります。
■ 五苓散
体液バランスの調整を目的とする処方です。術後の浮腫が強い場合に状態を見ながら使用を検討します。
■ 十全大補湯
体力低下が目立つ場合の回復期サポートとして検討されることがあります。
いずれもすべての患者様に必要なわけではなく、個別に判断します。
漢方の再開時期について
手術のために中止した漢方薬は、術後の状態に応じて再開時期を判断します。
■ 治療目的の漢方
- 全身状態が安定
- 経口摂取が可能
- 出血合併症がない
術後1週間を目安に再開を検討します。
■ ダイエット・体質改善目的
体力や食事量が回復してからの再開が望ましく、術後2週間を目安とします。
再開時期について詳しくは執刀医にご確認ください。
よくあるご質問(FAQ)
Q. 市販の葛根湯も止めるべきですか?
A. はい。市販薬であっても医薬品です。術前は休薬をご検討ください。
Q. サプリメントも中止したほうがいいですか?
A. 出血傾向に影響する可能性があるものは中止を検討します。詳細は診察時にご相談ください。
Q. 骨切り手術の術後に漢方を使うことはありますか?
A. 状態に応じて補助療法として検討することがありますが、必須ではありません。
Q. 「自然由来」なら安全ではないのですか?
A. 自然由来でも明確な薬理作用を持つ医薬品です。周術期では慎重な管理が必要です。
まとめ

- 顔面骨切り術前は原則休薬を検討
- 特に麻黄・血流改善系・甘草含有処方は注意
- 治療目的の漢方は必ず主治医へ確認
- 術後は状態に応じて補助的に使用することがある
- 再開時期は個別判断
顔面骨切りは美容手術でありながら、本格的な骨手術です。
周術期管理の質が、安全性と仕上がりを左右します。
当院では、体質・既往歴・術式内容を踏まえ、総合的な周術期管理を行っています。
銀座フェイスクリニックの特徴

銀座フェイスクリニックでは、患者様一人ひとりの美しさを大切に、丁寧なカウンセリングと安心の施術を提供しています。院長は外科医として24年の経験を持ち、クリニックは10年間、女性の輪郭や小顔に関するご相談を多く受けてきました(2026年2月現在)。院長が直接カウンセリングを行い、患者様のご希望に合わせた施術を分かりやすくご説明します。安心してご検討いただけるよう心がけておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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