エラ削り(広範囲下顎角形成)
こちらの写真は、実際に私・奥田がエラ削りの手術でカットした骨片です。
「広範囲下顎角形成(こうはんいかがくかくけいせい)」と言って、ただ下顎角を取り除くだけでなく、オトガイ(顎の先端)方向に長く延長して、下顎骨をカットしていきます。
以下、本日のコラムは、お客さま向けというよりは後進ドクター向けのマニアックなメッセージですので、ご興味ないお客さまは読み飛ばしてください ^o^
なぜ、このようなカットラインをとる必要があるかというと、通常の下顎角形成では下顎底に対する入射角度が浅くなってしまうため、不自然な段差が出来て、見た目や触り心地が悪くなってしまうからです。
なるだけカットラインを前方に延長することにより、下顎底に対する入射角度が深くなるため、不自然な段差が生じなくなります。
また、通常の下顎角形成では、下顎角だけがなくなることにより、下顎骨前方のオトガイ寄りの部分が相対的にアップボリュームに見えてしまい、顎先がワイドに見えてしまうケースがあります。
広範囲下顎角形成では、下顎骨前方まで切り込んでいきますので、顎先もシャープになって全体的なバランスがとりやすくなります。
広範囲下顎角形成のカット方法
それでは、どのようにカットしているかというと、実は種も仕掛けもありません。
まず小型のオシレーティングソーで下顎骨の外側部(頬側)にカットラインを刻み、大型のオシレーティングソーに持ち替えて、内側部(舌側)まで深くカットしていきます。
種も仕掛けもないぶん、このカットラインの実現には十分なトレーニングが欠かせません。
充分な骨削りの経験をつまずに、「ちょっとやってみよう」「私にもできるかな」などのノリでトライすると、当然ミゼラブルな結果になりますので気をつけてください。
具体的に何が難しいかというと、
■ 口腔内からアプローチする場合は、下顎後部付近に近づくと、手元の感覚だけを頼りにブラインドで骨をカットしなければいけません。
■ また、下顎後部付近にオシレーティングソーを入れる際に口角付近の口唇や皮膚が干渉してきますので、慣れていないと vertical osteotomy に近づいてしまいます。
■ カットラインを前方に伸ばす際には、オトガイ神経をうまく保護する必要があります。左手で LM鈎を引く強さや角度をうまく調整しないと、十分な working space が確保できず、神経損傷のリスクが高まります。
などが挙げられます。
お客さまご紹介制度
ですから、決して無理はなさらず、骨削りに慣れた当院やその他クリニックにお客さまをご紹介するようにして下さい。
どうしてもエラ削りの技術を習得したければ、どのようにカットするのか、まずはしっかり見学して頂くことが大切です。
「お客さまご紹介制度」でご紹介いただいたお客さまの手術に立ち会って頂くことは大歓迎ですので(もちろんお客さまの同意は必須です)、ご興味があればぜひ活用してください。
(http://ginza-face.net/clinic/contact/introduction/ )
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