先日、当院の公式ブログをご覧になった患者様から、
「上下顎セットバックの手術後には、目がぱっちりしたように見えるのはなぜですか?」
というご質問をいただきました。
たしかに、上下顎セットバックの術後写真を見ていると、
「口元が下がっただけではなく、目元まで変わったように見える」
「目が大きく、ぱっちりした印象になった」
と感じるケースがあります。
もちろん、上下顎セットバックによって眼球そのものが大きくなるわけではありません。
では、なぜ口元を後ろに下げることで、目まで大きく見えるのでしょうか?
今回は、その理由について少し詳しく解説してみたいと思います。
顔の印象は「パーツの大きさ」だけでは決まりません
顔の印象というと、
「目が大きい」
「鼻が高い」
「唇が厚い」
といった、それぞれのパーツの形や大きさに目が向きがちです。
しかし実際には、それだけで顔の印象が決まるわけではありません。
重要なのは、
それぞれのパーツが、顔全体の中でどのような位置関係にあるのか。
そして、
顔の輪郭や立体感と、各パーツとのバランスがどうなっているのか。
ということです。
たとえば、目そのものの大きさが同じでも、顔の中で口元が強く突出している場合と、口元がすっきりと収まっている場合では、目の見え方は大きく変わります。
口元が突出していると、口元に視線が集まりやすい
いわゆる「口ゴボ」では、上下の前歯・歯槽部を含む口元が前方へ突出しています。
横顔だけを見ると分かりやすいのですが、正面から見ても口元の存在感が強くなりやすい状態です。
すると、顔を見たときに、
目 → 鼻 → 口
という顔の各パーツの中で、口元の突出が強く印象に残ることがあります。
目そのものに問題があるわけではありません。
それでも、
「なんとなく目元が目立たない」
「目鼻立ちがはっきりしない」
「顔全体のバランスがしっくりこない」
と感じることがあります。
これは、目だけの問題ではなく、顔全体のバランスの問題なのです。
上下顎セットバックで口元が下がると、何が起こる?
上下顎セットバックでは、前方に突出している上下の前歯部・歯槽部を後方へ移動させます。
つまり、
前に出ている口元を、適切な位置まで後ろに下げる
ということです。
すると、これまで目立っていた口元の突出感が小さくなります。
その結果、
- 口元の存在感が小さくなる
- 鼻・口・顎の前後関係が整う
- 顔の中心〜下顔面がすっきりする
- 目や鼻とのバランスが変わる
といった変化が起こります。
ここで重要なのが、
「目が変わった」のではなく、「目の見え方が変わった」
ということです。
口元が引っ込むと、目が相対的に強調される
たとえば、同じ大きさの目でも、
「口元が強く前に出ている顔」
と
「口元がすっきり収まっている顔」
では、目の存在感が違って見えます。
口元が突出している場合には、顔の中心から下の部分に視線が集まりやすくなります。
一方、上下顎セットバックによって口元の突出が改善すると、口元の主張が弱くなります。
すると、相対的に目や鼻の存在感が強くなります。
そのため、
「目が大きくなったように見える」
という変化が生まれます。
これは、写真でも比較的分かりやすい変化です。
目そのものを手術していなくても、顔全体のバランスが変わることで、目元の印象まで変わって見えることがあります。
「目が大きくなる」というより、「目が大きく見える」
ここは非常に重要なポイントです。
上下顎セットバックによって、
- 眼球が大きくなる
- 目の横幅が広がる
- 目の縦幅が大きくなる
というわけではありません。
あくまでも、
口元の位置が変わることで、顔全体のバランスが変化する。
その結果として、
目が大きく、ぱっちりして見える。
ということです。
これは、写真を見たときにも、
「目元がすっきりした」
「目が開いて見える」
「目鼻立ちがはっきりした」
と感じる理由のひとつです。
鼻も高くなったように見えることがあります
同じことは、鼻にも当てはまります。
上下顎セットバックをすると、鼻そのものを手術していなくても、
「鼻が高くなったように見える」
「鼻筋がすっきりしたように見える」
と感じることがあります。
もちろん、鼻の骨や軟骨を削ったり高くしたりしたわけではありません。
口元の突出感が改善したことで、
鼻と口元との位置関係が変わり、鼻の存在感が相対的に強くなる
ためです。
つまり、
口元を整えることで、目や鼻まで整って見える。
これが上下顎セットバックの面白いところだと思います。
顔は「足し算」だけではなく「引き算」でも変わる
美容医療では、
「目を大きくする」
「鼻を高くする」
「顎を出す」
など、何かを加えることで顔を変えることが多いと思います。
しかし、顔の印象は突出している部分を適切な位置まで戻すことでも大きく変わります。
口ゴボの場合、
「目をもっと大きくしたい」
「鼻を高くしたい」
と考える前に、
そもそも口元が前に出ていることで、顔全体のバランスが崩れていないか?
という視点も大切です。
前に出ている口元を後ろへ戻す。
それだけで、これまで目立っていた口元の存在感が小さくなり、結果として目や鼻が引き立って見えることがあります。
上下顎セットバックは「口元だけ」を変える手術ではありません
もちろん、手術そのものの目的は、前方に突出した口元を後退させることです。
しかし、顔はそれぞれのパーツが独立しているわけではありません。
口元の位置が変われば、
鼻とのバランス
唇の見え方
顎との前後関係
頬から口元にかけての立体感
顔全体の輪郭
まで、見え方が変化します。
だからこそ、上下顎セットバックでは、
「何mm後ろに下げるか」
だけを考えればよいわけではありません。
重要なのは、
その人の顔全体を見たときに、口元をどこに置くのが最もバランスがよいのか
ということです。
目鼻立ちが整って見えるのは「顔全体の調和」が変わるから
私は、上下顎セットバックを単純に
「口ゴボを治すために口元を引っ込める手術」
とは考えていません。
もちろん、突出した口元を改善することが第一の目的です。
しかし、その先にあるのは、
顔全体の調和を整えること
だと考えています。
口元が前に出ていることで、顔全体のバランスが崩れている場合には、そこを改善することで、
「目が大きく見える」
「鼻がすっきり見える」
「目鼻立ちが整って見える」
「顔全体が垢抜けて見える」
といった変化につながることがあります。
これは、目や鼻を直接変えたからではありません。
顔の中で、口元の位置が適切になったからです。
実際の症例でも、目元に注目してみてください
上下顎セットバックの症例写真をご覧になる際には、ぜひ口元だけではなく、
目元や鼻にも注目してみてください。
術前と術後で、目や鼻そのものに手術をしていなくても、
「目がぱっちりしたように見える」
「鼻がすっきりしたように見える」
「目鼻立ちがはっきりしたように見える」
という変化を感じることがあります。
これは、口元と顔全体のバランスが変わったことによるものです。
まとめ
上下顎セットバックをすると、目が大きく見えることがあります。
ただし、これは眼球そのものが大きくなったわけではありません。
前方に突出していた口元を後方へ移動させることで、
口元の存在感が小さくなる
↓
鼻・口・顎のバランスが整う
↓
顔の中心〜下顔面がすっきりする
↓
目や鼻が相対的に引き立って見える
↓
「目が大きくなった」「目がぱっちりした」と感じる
という変化が起こるためです。
つまり、
「目を大きくする」のではなく、「目が大きく見える顔にする」。
これも、上下顎セットバックによって得られる顔貌変化のひとつだと考えています。
口ゴボの改善を考えるときには、口元だけを見るのではなく、
「口元を整えたとき、顔全体がどう変わって見えるのか」
という視点を持つことが大切です。
口元が変わると、顔全体の印象も変わります。
そしてその変化は、思っている以上に目鼻立ちの見え方にまで影響することがあるのです。
銀座フェイスクリニックの特徴

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